SUS304は、加工硬化が発生しやすく、切削時に硬さが増してしまいます。
さらに、粘性が高い材質のため、切り粉が長くつながり工具やワークに絡んでしまいます。
そのため、工具の摩耗やチッピング、折損、加工精度の低下などが起こらないよう、適切な工具や切削条件の選定に加え、繊細な作業が必要です。
切削具合に応じて微調整したり工具を研いだりしながら加工できる汎用機械のほうが、不良品を出さずに成功しやすいケースがあります。
しかし、プログラム通りに自動運転するNC加工が主流となっている今、汎用旋盤・フライス盤の熟練職人は減少しています。また、工具寿命が短くなる、加工に手間がかかるなど、コスト面の問題で加工を断る工場も多いようです。
SUS304は最も流通しているステンレス鋼の一種ですが、寸法や形状、求められる精度、ロット数によっては「あまり受注したくない」案件になりやすいと思われます。
佐藤精密は、40年近くSUS304の加工を積極的に受注しながら技術向上に取り組み、いまでは最も加工実績の多い材質となりました。